歯周病の発症の原因とされるレッドコンプレックス
虫歯菌といえば「ミュータンスレンサ球菌」が有名ですよね。虫歯を発症させる主な原因菌であり、多くの人のお口の中に生息しています。それと同じように、歯周病にも主な原因菌といえるものが存在します。それは「レッドコンプレックス」と総称される細菌たちです。今回はそんなレッドコンプレックスにはどんな細菌が含まれ、どのような特徴を持っているのか詳しく解説します。
▼レッドコンプレックスとは?
レッドコンプレックスとは、歯周病の発症原因とされている細菌で、歯周病を患っている患者さまの大半からこれらが検出されます。具体的には、「Porphyromonas gingivalis」「Treponema denticola」「Tannerella forsythensis」の3つがレッドコンプレックスに含まれます。これら以外にも歯周病菌は存在しているのですが、とくに発症の原因となりやすいことから、レッドコンプレックスという総称で呼ばれるようになっています。
▼P.g菌は慢性歯周炎の原因菌
レッドコンプレックスの中でも、「Porphyromonas gingivalis(P.g菌)」は慢性歯周炎の原因となりやすく、最も注意が必要であるといえます。歯垢や歯石、バイオフィルムに付着する能力が高いことから、繁殖の場を獲得しやすい傾向にあるのです。また、内毒素と呼ばれる物質を放つことから、歯周組織への悪影響も非常に高くなっています。歯周病によって口臭がきつくなる原因も主にこの細菌が担っています。
▼レッドコンプレックスを増やさないことが大切
歯周病の主な原因となるレッドコンプレックスは、お口の中の衛生状態によってその繁殖力も大きく変わります。毎日のオーラルケアをしっかり行い、歯垢や歯石、食べかすなどの堆積を抑制すれば、自ずとレッドコンプレックスも減少していきます。
▼まとめ
レッドコンプレックスという概念はあくまで専門家の中で使われるものであり、普段のケアでこれらの細菌を意識する必要はありません。大切なのはやはり、徹底したオーラルケアで細菌が繁殖しづらい衛生状態を保つことです。
また鶴岡歯科医院では歯周病菌をDNAレベルで診断し除菌する「歯周内科治療」も行っております。ご希望の方はお気軽にご相談ください。