【虫歯治療】ダイアグノデントとは?鎌倉の歯科医師が解説
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
近年は、できるだけ削らない治療が優先されるようになりましたよね。これを専門的にはMI(ミニマルインターベンション)と呼び、WHOも推奨している治療方針であり、当院も患者さまの大切な歯質をできるだけ残せるよう心がけております。そんなMI治療を実践する上で頼りになる器具に「ダイアグノデント」があります。今回はそんな虫歯治療で使用するダイアグノデントについて、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼ダイアグノデントってなに?
ダイアグノデントとは、歯にレーザーを照射することで虫歯の進行度を評価できる装置です。655nmの低出力レーザーは、歯やお口に無害であり、繰り返し使用しても健康被害が生じることはありません。
▼ダイアグノデントを使うと何が変わる?
これまでは、虫歯の進行度を数値で評価する方法というのは存在していませんでした。そのため実際に削ってみなければどのくらい深くまで感染しているのかわからず、本来は経過を見るべきケースにも処置を加えなければならなかったのです。ダイアグノデントは、歯の表面にレーザーをかざすことで虫歯の有無や深さを数値によって評価できるため、場合によっては削らずに経過を見ることも可能です。とくに初期の虫歯に介入するかどうかを判断する際には、非常に有益と言えます。
▼虫歯の進行度は見た目と大きく違う?
虫歯という病気が厄介なのは、外からだけでは進行度を正確に評価できないからです。とくに複雑な溝がある奥歯は、見た目以上に虫歯が進行していることが多く、発見が遅れると重症化も免れません。歯に穴を開けなくても虫歯の進行度を評価できるダイアグノデントがあれば、そうした隠れた虫歯も早期に発見できます。逆に、重症に見える虫歯で実際はそれほど進行していないものに関しても、健康な歯質を削りすぎるリスクを減らせます。
▼ダイアグノデントの測定値の目安
ダイアグノデントでは、歯にレーザーを照射した際に数値が表示されます。これが「0~15」であれば健全歯質、「15~40」であれば経過観察が必要となる歯質、「40」以上だと積極的に歯を削らなければならない虫歯と判断できます。もちろん、この数値はあくまで目安であり、実際の診断は歯科医師それぞれが自分の経験および知識に基づいて下す必要があります。
▼経過観察する歯への対処法
口腔内診査やダイアグノデントなどの結果を踏まえ、経過観察することになった虫歯は、再石灰化を促すことが重要となります。虫歯は歯質が酸によって溶かされる「脱灰(だっかい)」が起こる病気であり、それを元に戻す再石灰化作用は、虫歯の進行を止める上で非常に有用といえます。歯の再石灰化作用を促すのであれば、フッ素入り歯磨き粉を使用するのが一番です。市販の歯磨き粉の中でもフッ素が1450ppm配合されているものを選ぶと良いでしょう。さらに、高濃度フッ素(9000ppm)が配合されたジェルを使う「フッ素塗布」を歯科医院で受けることで、虫歯が進行するのと効率よく止められます。
▼まとめ
今回は、鎌倉の鶴岡歯科医院で導入しているダイアグノデントという医療機器について解説しました。歯にレーザーを当てるだけで虫歯の進行度を評価できる素晴らしい装置であり、最近では日常の臨床に採り入れる歯科医院が増えてきています。当院でもダイアグノデントを活用することで、患者さまの大切な歯質を極力保存するよう努めております。
医療法人社団Craile 鶴岡歯科医院
歯科医師
鶴岡 淳
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