歯肉炎と歯周病の違いとは
歯周病に似た病名に、歯肉炎というものがありますよね。その他、歯周炎という病気もあったりするなど、患者さまにとってはよくわかりにくい点かと思われます。そこで今回は、歯肉炎や歯周炎、歯周病の違いについて詳しく解説します。
▼歯周病には2種類ある?
「歯周病(ししゅうびょう)」というのは、実は歯周組織の病気に関する総称のようなものです。そんな歯周病は、主に「歯肉炎(しにくえん)と「歯周炎(ししゅうえん)」の2つに分けることができます。歯医者さんでもこの3つの言葉がよく耳にすることかと思いますが、歯科医師や歯科衛生士は厳密に使い分けているのです。
▼歯肉炎とは?
歯肉炎とは、その名の通り「歯肉(=歯茎)」に炎症が限定されている歯周病です。歯茎が赤く腫れたり、歯茎からの出血が認められたりするのが主な特徴です。歯周病の感染が歯槽骨にまで及んでいないことから、それ以上深刻な症状はあまり生じません。この段階であれば、まだまだ完治させることも難しくないといえます。
▼歯周炎とは?
歯周炎とは、歯周病への感染が歯槽骨にまで及んだ歯周病です。歯肉炎の症状に加え、歯槽骨の破壊が起こり、歯がグラグラと揺れ動くようにもなります。ここまでくると歯周病を完治させるのは容易ではありません。ですから、歯周病はできる限り歯肉炎の段階で治療を受け、早期に治してしまうことが大切なのです。ちなみに、歯周炎によって破壊された歯槽骨は、なかなか元に戻らないことから、歯周組織再生療法など特別な処置が必要となります。それでも症状の改善が見られない場合は、歯を抜かざるを得なくなります。
▼まとめ
このように、「歯周病」というのは歯肉炎と歯周炎の総称であり、大きな意味では同じといえます。そして、歯肉炎と歯周炎では病態や症状などが大きくことなることから、厳密に区別する必要があるといえます。鶴岡歯科医院では位相差顕微鏡やPCR検査(細菌のDNA検査)などを行い、DNAレベルでの歯周病の診断を行うことができます。