【インビザライン】歯を削るIPRって大丈夫?安全性を鎌倉の歯医者が解説
鎌倉市、逗子市、藤沢市、茅ケ崎市、葉山町の皆様こんにちは。
歯並びの治療を行う際、スペースが不足している場合は抜歯を行わなければなりません。健康な歯を抜く「便宜抜歯(べんぎばっし)」には強い抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、美しくて健康的な歯並び・噛み合わせを構築する上で重要な処置なのです。ただ、スペースの不足が軽度であれば、歯を削ってスペースを作り出す「IPR(アイピーアール)」という処置で対応できることもあります。今回はそんなIPRをインビザラインの症例で行う安全性について、鎌倉の鶴岡歯科医院がわかりやすく解説します。
▼そもそも「IPR」ってなに?
「IPR(Inter Proximal Reduction)」とは、日本語で「歯と歯の間を削合する」ことを意味します。少し難しい英単語も含まれていますが、日本語に訳せばとてもシンプルですね。歯を削ってスペースを確保し、歯並びの乱れをきれいに整えます。
▼健康な歯を削っても大丈夫?
IPRで歯を削ると聞いて、まず心配になるのが安全性ですよね。私たちの歯は人体で最も硬いエナメル質で覆われていますが、損傷を受けるとさまざまなリスクが生じます。それを専用の器具で削るのは果たして安全なのか。
◎削る量は極わずか
IPRで削る歯の量は、極めて微量です。具体的な切削量は、0.1~0.3mm程度にとどまります。エナメル質の厚みがだいたい1~2mm程度なので、IPRによって象牙質が露出することはまずありません。切削範囲がエナメル質内にとどまるということは、知覚過敏の症状が現れるリスクもほとんどないということになります。
◎歯へのダメージも最小限にとどまる
エナメル質を専用の器具で削るIPRは、歯へのダメージがゼロではありません。何も手を加えていない天然歯よりはダメージを負うことになりますが、その結果として虫歯にかかりやすくなったりすることはほとんどありませんのでご安心ください。
◎十分なスペースを確保できるの?
IPRは、複数の歯に対して行われる処置です。歯の側面を削る量が0.1~0.3mm程度であっても、それが複数本になると合計でかなりのスペースを確保できますよね。もちろん、小臼歯などを丸ごと1本抜いた方がスペースも作りやすいですが、お口全体の健康を考慮した場合は、IPRの方がメリットも大きくなります。ただし、IPRを適応できるのは、スペース不足が軽度の場合に限ります。たくさんのスペースが不足しているケースでは、便宜抜歯を行わなければ治療が難しいです。
▼インビザラインでIPRを行うメリット
マウスピース矯正のインビザラインは、抜歯症例にあまり向かない矯正法といえます。抜歯が必要なケースはそもそも歯列不正の重症度が高く、歯を大きく動かさなければならないため、三次元的な歯の移動が得意であるワイヤー矯正の方が向いているのです。ただ、今回ご紹介したIPRを実施することで足りないスペースを作り出すことができるので、マウスピース矯正のインビザラインでも抜歯をせずに治療を進めることが容易となります。そうしたことから、インビザラインではIPRを行うことが珍しくありません。患者さまにとっても歯を丸ごと抜くよりは、側面を少しずつ削るIPRの方が安心ですよね。
▼まとめ
今回は、歯列矯正で行う「IPR」という処置法について、その手順や安全性を鎌倉の鶴岡歯科医院が解説しました。IPRについてさらに詳しく知りたい方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。
医療法人社団Craile 鶴岡歯科医院
歯科医師
鶴岡 淳
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