舌の力が弱いとどうなるのか?
歯や歯茎の機能や異常については関心が高い人も多いかと思いますが、「舌」となる話は少し変わりますよね。おそらく、お口の健康と舌に密接な関連があることは、あまり知られていないことかと思います。そこで今回は、舌の力とお口の健康との関わりについてわかりやすく解説します。
▼食べ物を飲み込みにくくなる
私たちの舌は、実にたくさんの機能を担っています。もっともわかりやすいのが「食塊の移送」です。食事の際にそしゃくした食べ物を喉の奥へ送り込むのは、舌の役割です。そのため、舌の力が弱くなった高齢の方は、食べ物をしっかり喉の奥まで送り込むことが難しく、口腔内に残存しやすくなっています。つまり、舌の力が弱いと、食べ物を飲み込みにくくなるのです。
▼発音しにくくなる
舌は、発音機能にも関係しています。上手く発音できない状態を「舌が回らない」と表現しますが、これはいろいろな音を発音する際に、舌が大きな役割を担っているからです。舌の力が衰えれば、自ずと発音にも障害が現れます。
▼歯並びが悪くなる
これは主に発育期の子どもにいえることですが、舌の力が弱いと歯並びが悪くなることがあります。私たちの歯列は、舌によって内側から適度に圧力をかけられることで広がっていきます。もしも舌の動きが悪かったり、力が弱かったりすると、歯列が正常に広がらず、叢生や出っ歯、八重歯などの異常を引き起こします。場合によっては、大人になってからでもそうした異常が生じることもあります。
▼まとめ
このように、舌の力が弱いと、食べ物を飲み込みにくい、発音しにくい、歯並びが乱れる、といったトラブルが起こりやすくなります。とくに、飲み込む機能の低下は誤嚥にもつながりやすいことから、できるだけ早期に対処した方が良いといえます。当院では、舌の力の検査もできます。また、舌の力を鍛える方法もアドバイスできますので、心当たりのある方はお気軽に当院までご相談ください。