口腔ケアと誤嚥性肺炎
高齢の方がかかりやすい病気に「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」というものがあります。命を落とす方も多いこの病気は、口腔衛生状態とも深い関連があることがわかっています。そこで今回は、口腔ケアと誤嚥性肺炎の関係についてわかりやすく解説します。
▼誤嚥性肺炎とは?
誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物を飲み込む行為である「嚥下機能」に異常が生じ、誤嚥することで肺炎を発症することを意味します。最近では、誤嚥性肺炎によってなくなられるケースが増えているので、もうすでにご存知の方も多いかもしれませんね。
▼誤嚥性肺炎の原因
誤嚥性肺炎の主な原因は、口腔衛生状態の悪化です。お口の中が汚くなると、細菌や真菌が繁殖して、その一部が唾液などと一緒に気管へ紛れ込んでしまうからです。とくに歯周病菌とは強い関連があることが判明しています。ですから、重症化した歯周病では、合併症として誤嚥性肺炎が挙げられます。
▼口腔ケアで予防する
誤嚥性肺炎は、口腔ケアを徹底することで、予防が可能となります。嚥下反射が衰えて、頻繁に誤嚥をするようになったとしても、細菌が一緒に送り込まれなければ肺炎を起こすことがないからです。そのため、誤嚥をよく高齢の方は、若い人以上に口腔ケアを徹底する必要があります。ちなみに、歯医者さんに「摂食嚥下リハビリテーション」を受けることで、正常な嚥下機能を取り戻すことも可能です。誤嚥性肺炎のリスクが高い人は、口腔ケアとリハビリという2つの方向から予防策を講じることが大切です。
▼まとめ
このように、口腔ケアと誤嚥性肺炎には密接な関連が認められますので、誤嚥が疑われる方や、歯周病が重症化している方は、積極的に摂食嚥下リハビリテーションや口腔ケアを受けるように努めましょう。口腔ケアは、プロフェッショナルケアとセルフケアを両立させる必要があります。当院までご相談いただければ、そのお手伝いができるかと思います。