皆さんは「残存歯(ざんぞんし)」という言葉をご存知でしょうか。専門的な用語であるため、あまりピンと来ない方も多いかもしれませんが、お口の健康を考える上で非常に重要となるものですので、詳しく知っておいて頂くことが大切です。ここではそんな残存歯と、生涯医療費の関連性について解説します。
- 残存歯とは
残存歯とは、お口の中に残っている歯のことを意味します。つまり、虫歯や歯周病などで抜け落ちてしまった歯ではなく、顎の骨に埋まっていて、お口の中に存在している歯を指しています。この残存歯というのは、多ければ多い方が良いというのは、何となく予想がつきますよね。残存歯が多ければ、それだけ噛み合う歯も多くなるため、咀嚼能率も上がるからです。逆に、残存歯が少なくなればなるほど、失った歯の部分をブリッジや入れ歯などで補う必要が出てくるため、咀嚼能率が落ちたり、沢山のお金がかかったりします。そこで注目したいのが残存歯と生涯にかかる医療費の額です。
- 残存歯が多いほど生涯医療費は安く済む
歯科に関する医療費というのは、生涯を通じると意外に大きな金額になるものです。若い頃は虫歯治療や定期検診くらいにしかお金がかかりませんが、年をとって残存歯が減っていくほど、1回の治療費も高額になっていきます。それは残存歯の数が減れば減るほど、顕著になっていきます。例えば、すべての歯を失ったら、残存歯はゼロとなりますので、欠損部をすべて補綴物で補わなければならなくなります。さらに、歯が減ることで咀嚼能率が落ち、食事量も減っていきます。その結果、十分な栄養を取れなくなり、ケガや病気をしやすい体になってしまうのです。すると、内科や外科などに通う頻度も高まり、生涯医療費も膨れ上がっていくのです。
- まとめ
このように、残存歯と生涯医療費というのは、一見すると全く関係のないもののように思えますが実は深い関係があるのです。オーラルケアをしっかりと行うことで、残存歯を増やし、丈夫な歯や顎、体を作っていきましょう。そうすることで、生涯医療費を抑えることにもつながります。